スーツを着こなす!おしゃれな裏地の柄にはどんなものがある?

スーツには、裏地が付いていることが一般的であり、さまざまな種類や素材があるので、選ぶ模様によって、おしゃれさが変わるでしょう。
そこで、今回はスーツの裏地の役割に加え、種類や素材を解説します。さらに、おしゃれな柄のほか、表地と裏地の組み合わせも併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

スーツにおける裏地の役割

スーツには裏地が付いているのが一般的ですが、裏地にはどのような役割があるのかわからない方もいるでしょう。ここでは、スーツの裏地の特徴や機能を、4つの項目にわけて紹介します。

着心地の向上

裏地がついていることで、ジャケットとシャツとの摩擦が起こりにくくなり、着心地がよくなる効果があります。ジャケットを着用するときのすべりがよくなり、袖や背中がひっかからずに、脱ぎ着しやすくなります。

シルエットの維持

裏地によって、シャツとの摩擦を防げることから、生地の滑らかさやテクスチャを綺麗な状態に維持できるほか、型崩れを予防できるのでジャケットのフォルムを保てます。
スーツによっては、裏地がないものもありますが、表地だけのジャケットは生地が薄く、質素な見た目になってしまいます。しかし、裏地があることで、重厚感が増し、見た目の印象が大きく変わります。

汚れや変色の防止

裏地には、吸湿性や放湿性に優れている素材が使われることが多く、表地が湿気で傷むのを防ぐ効果があります。さらに、汚れや変色を防いだり、ムレを防止したりする効果も期待できるでしょう。

ファッション性の向上

通常、裏地には表地と異なる生地が使われており、色や柄、デザインなどにこだわれば、ファッション性が高まります。
もちろん、表地のように常に見えているわけではありませんが、ジャケットを着たり、脱いだりするときなど、少し見えることがあり、ちょっとしたおしゃれさをアピールできるでしょう。

スーツの裏地の種類と素材

型崩れを予防したり、変色やニオイを防いだり、さらにファッション性を向上させたりする効果があるのが裏地の特徴です。
ここでは、どのような種類があるのかに加え、素材の特徴を詳しく紹介します。

種類

スーツの裏地には、主に3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。どの種類を選ぶかによって、着心地や質感に違いが出ることから、特徴を理解したうえで、種類を選びましょう。

総裏

総裏とは、ジャケットの内側の全面に生地がついているタイプで、保温性に加え、保湿性に優れているのが特徴です。さらに、ほかの裏地に比べると、面積が広いことから、型崩れしにくく、耐久性があるといえるでしょう。
ただ、面積が広いことから、気温が高い日は熱くなりやすく、ムレが発生することも少なくありません。

背抜き

背抜きとは、背中から裾にかけて裏地がないタイプであり、総裏と比べると、通気性がよくなり、ムレが発生することが少ないのが特徴です。さらに、面積が少なくなるため、軽くて涼しいことも魅力といえるでしょう。
ただ、背中から裾部分に裏地がないため、シャツとジャケットが摩擦によって傷んでしまう可能性があります。さらに、長年使用していると、型崩れしてしまうことも珍しくありません。

半裏

半裏は、背中と脇の下から裾までの箇所に裏地がないタイプであり、背抜きよりもさらに面積が少ないのが特徴です。そのため、3種類の裏地のなかでは、最も軽くて通気性がよく、長時間ジャケットを着ていても、疲れにくいでしょう。
ただ、裏地の面積が少ないことから、型崩れしてしまう可能性があるほか、ベント部分にシワができることがあります。また、背抜きと同様に、表地の生地の種類によっては、シャツが透けて見えることがあります。

素材

スーツの裏地には「合成繊維」「天然繊維」「再生繊維」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。選ぶ裏地の素材によって、着心地が変わったり、機能が変わったりするので、それぞれの特徴を理解したうえで、素材を選ぶとよいでしょう。

合成繊維

人造繊維とも呼ばれる合成繊維の素材には、ポリエステルが使われていることが一般的で、多くのスーツの裏地に採用されています。合成繊維の裏地は、耐久性が高く、メンテナンスがほとんど必要ないことから、利便性が高いのが特徴です。
しかし、ポリエステルという素材の特性上、通気性や吸湿性が弱く、汗を吸いにくいことから、ムレやすいのがデメリットです。また、乾燥する季節になると、静電気が起きやすいので、注意が必要です。
ポリエステルは耐久性が高く、伸縮に強いことから、動きが多い場合でも傷みにくいといった特徴があります。さらに、比較的安価な素材であり、コストパフォーマンスが高いことから、複数のスーツのうちのひとつとして持っておくとよいでしょう。

天然繊維

木材や綿などの天然繊維で作られた生地は、合成繊維の裏地と比べると、耐久性は劣ります。しかし、天然素材ならではの肌触りのよさや高級感のあるテクスチャが特徴で、質感の高い表地と組み合わせると、より重厚感のあるジャケットに仕上がるでしょう。
また、静電気が発生しにくく、吸湿性にも優れていることから、梅雨時期や乾燥時期など、季節を選ばず、一年をとおして使えるのが魅力です。

再生繊維

再生繊維とは、木材や綿などの天然繊維を加工してつくったものであり、レーヨンやキュプラと呼ばれる素材が一般的です。合成繊維の耐久性や天然繊維の質感を兼ね備えており、バランスのよい素材です。

おしゃれな裏地の柄

裏地にはさまざまな種類があり、どの種類を選ぶかによって、質感や耐久性、吸湿性に違いがあります。さらに、昨今は、裏地のデザインや柄の種類も豊富にあり、ワンポイントアクセントとして、柄の入ったものを選ぶ方も多いでしょう。
ここでは、おしゃれな裏地の柄の一例を紹介します。

ペイズリー柄

ペイズリー柄は、上品な曲線や、草花をモチーフにしたデザインが特徴で、イランやインドが発祥の地といわれています。細かなデザインから成り立っており、高級感や上質さをアピールできる柄であることから、裏地に使用されることがあります。
グレーやベージュなどの明るい表地のスーツと組み合わせることで、さりげないアクセントとなるでしょう。
なお、ペイズリー柄にも、さまざまな種類があり、色味や模様などによって印象が変わるので、表地とのバランスを意識したうえで選ぶことをおすすめします。

迷彩柄

ミリタリー柄とも呼ばれることがあり、カモフラージュのデザインが特徴です。迷彩柄は派手な模様のデザインであることから、ビジネスシーンには適していないと思われる方もいるでしょう。しかし、昨今はオフィスカジュアルのジャンルにおいて、裏地に迷彩柄を使うことが増えつつあります。
濃い目の生地と併せることで、裏地が際立ち、おしゃれな印象を与えられます。ただし、着用シーンによっては、迷彩柄がそぐわないこともあるため、迷彩柄以外のスーツも用意しておきましょう。

ドクロ柄

ドクロ柄は、文字どおり、ドクロのイラストや模様が散りばめられたデザインであり、迷彩柄と同様に、ビジネスシーンには向かないと思う方もいるでしょう。もちろん、表地にドクロ柄を使うのは、ビジネスで使用するスーツには適しません。
しかし、裏地であれば、ジャケットを脱ぎ着するときにしか見えず、デザインが際立つので、昨今はドクロ柄の裏地が注目を集めています。

和柄

和柄は、日本の伝統工芸品や浴衣などに使われることが多く、日本の特徴的なデザインです。松文や亀甲、千鳥文や七宝つなぎに加え、工字繋ぎや矢羽根など、さまざまな模様があり、近年は伝統工芸品や浴衣だけでなく、衣服や小物などに使われることがあります。
スーツの裏地に和柄を使うことで、シンプルな表地とのメリハリがはっきりし、時折見える特徴的な柄や模様によって、おしゃれな雰囲気になるでしょう。

国旗柄

国旗柄の裏地は、日本だけでなく、諸外国の国旗をそのままデザインにしたものです。とくにイギリスのユニオンジャックは、衣服や小物などのデザインとして使われることがあり、一度は見たことがある方も多いのではないでしょうか。
なお、一国の国旗をデザインとして使うほか、さまざまな国の国旗を散りばめるといったデザインもあります。

おしゃれな裏地を取り入れる場合の注意点

裏地にはさまざまな種類があり、少しでもおしゃれなスーツに仕上げたい方は、特徴的なデザインの裏地を入れるのがポイントです。
しかし、あくまでもスーツをビジネスシーンで使用することが前提であれば、主に2つの点に注意しなければなりません。

派手柄だらけのスーツは避ける

表地との組み合わせによっては、全体的に派手さが際立ってしまい、おしゃれというよりは、むしろマイナスな印象を与えてしまうことがあります。そのため、おしゃれな裏地を使うときは、派手すぎるスーツにならないように注意しましょう。
とくに、表地にもデザインや模様が入っている場合、派手柄の模様が入った裏地を使うと、全体的に派手さが目立ってしまって、悪い印象を与えてしまうリスクがあります。ビジネスシーンでスーツを使う場合は、TPOに合ったデザインのスーツを選ぶのが大切です。
取引先との商談や会議などで、派手さが目立つスーツを着用すると、相手によくないイメージを与えてしまう可能性があるため、避けた方がよいでしょう。
しかし、表地と裏地の組み合わせによっては、おしゃれな印象を与えられることから、表地と裏地のバランスを考えたうえで、裏地を選ぶことがポイントです。

着用シーンにそぐわない派手柄は避ける

裏地は外からは見えない場所なので、派手な柄であっても基本的には問題ありません。しかし、上着を着脱する機会があったり、裾が広がったりしたときに、裏地が見えてしまうため、着用シーンによっては、派手な裏地が入ったスーツを着ない方がよい場合があります。
とくに、営業職に就いており、取引先との大事な商談において、派手な裏地のジャケットが取引先から見えたとき、悪い印象を持たれる可能性があります。派手な裏地といっても、迷彩柄やドクロ柄、ペイズリー柄や和柄など、さまざまな模様があり、どの程度の派手さなら許容されるかによっても異なるでしょう。
オーダーボックスでは、着用シーンに応じた組み合わせの提案も可能です。どのような場面で使用するのかに加え、どのくらいの頻度で着用するのか、そしてどれくらいのパターンのスーツを持ちたいかなどによって、最適な方法を提案しています。

おしゃれな表地と裏地の組み合わせ例

裏地には、さまざまな種類があり、どのような裏地を選ぶかによって、見え方が変わってきます。ただ、裏地を選ぶときは、スーツの表地とのバランスを考えなければなりません。
ここでは、おしゃれな表地と裏地の組み合わせの一例を紹介します。

ネイビー×グレー

ネイビーの表地に、グレーを合わせることで、上品でおしゃれな印象になります。派手すぎず、紳士的な雰囲気になることから、どのようなシーンでも使用できるスーツになるでしょう。
オーソドックスなパターンではあるものの、いろんなところで使用できることから、複数あるうちの一着には、ネイビーとグレーの組み合わせを持っておくことをおすすめします。

ブラック×レッド

表地がブラックで、裏の生地をレッドにすることで、華やかな見た目のスーツになります。ジャケットを着脱するときに見えるレッドの裏地が、アクセントとなり、上級者の組み合わせといえるでしょう。

チャコールグレー×ボルドー

チャコールグレーのような高級感のある表地には、上質さがあるボルドーの裏地がぴったりです。重厚感があり、上品な印象になることから、ビジネスシーンはもちろん、フォーマルなイベントなどでも使用できるでしょう。

ブラウン×グリーン

ブラウンの表地にグリーンの下地を合わせることで、全体的にシックで上品な印象にまとまります。大人な雰囲気に仕上がるので、さまざまなシーンで使えるでしょう。

キャメル×ボルドー

裏地がキャメルであれば、秋らしさを強調するためにボルドーの裏地を選ぶとよいでしょう。派手なイメージになりすぎず、上質さと遊び心を兼ね備えた印象になります。

まとめ

スーツには裏地が付いているのが一般的であり、総裏や背抜き、半裏などの形状があります。裏地によって、ジャケットの形状が保たれ、シルエットを維持できることに加え、着心地がよくなったり、汚れの防止にもつながったりします。
さらに、模様が入った生地を選ぶことで、ジャケットを着脱するときに、裏地が見えておしゃれな印象を与えられるでしょう。ただし、着用シーンによっては、派手な裏地が好まれないこともあるので、着用シーンに合わせてスーツを使い分けることが大切です。
オーダーボックスでは、豊富な種類を揃えています。裏地選びに悩まれている方や、おしゃれなスーツが気になる方は、オーダーボックスに相談してみてはいかがでしょうか。