スーツに合うコートの種類を紹介!定番からカジュアルまで

朝夕の風が冷たくなってきたら、コートを準備しておきたい季節です。

しかし、いざコートを購入しようと思っても、種類の多さからどれを選べばいいか迷ってしまう人は多いでしょう。

そこでこの記事では、スーツに合うコートの種類やスーツに不向きなコートの種類、スーツに合うコートの選び方などをわかりやすく紹介します。

コート選びで迷っている人はぜひ参考にしてみてください。

ビジネススーツに合うコートの種類

スーツに合うコートの種類として挙げられるのは、

・チェスターコート
・ステンカラーコート
・トレンチコート
・アルスターコート
・ポロコート

の5種類です。

ここではそれぞれのコートがもつ特徴をご紹介します。

チェスターコート

チェスターコートとは、テーラードジャケットと同様に襟の形が特徴的で、丈が膝くらいまであるやや長めのコートです。

19世紀頃にチェスターフィールド伯爵という人物が初めて着用したことからチェスターコートと呼ばれるようになりました。

スーツに合うのはもちろん、私服にも合わせやすいため、通勤時だけでなくプライデートでも着回すことが可能です。

また、自分の好みに合わせて着丈を選ぶ、ボタンを開け閉めするなど、さまざまな着こなしを楽しむことができます。

チェスターコートはどんなスタイルにも合わせやすく非常に汎用性が高いので、一着持っておいて間違いはないでしょう。

コートの種類が多く、選びきれないという方には無難なチェスターコートをおすすめします。

ステンカラーコート

ステンカラーコートとは、襟腰と呼ばれる立て襟が付いたコートです。

装飾がほとんどなくシンプルなアイテムが多いので、仕事やプライベートに関係なくどんな場面でも着用できます。

ステンカラーコートは後ろ襟が高くなっており、比翼仕立てというボタンが隠れるデザインが特徴的です。シンプルではありますが、最近は色ものや柄ものも増えているため、自分らしさをアピールできます。

また、襟が開いた状態・閉じた状態のどちらでも着用でき、ストールやマフラーを巻かなくても小顔効果が期待できることから女性人気も高いです。

オーバーサイズのものを選べばトレンド感も得られるので、ステンカラーコートを購入する際は色や柄だけでなく、サイズ感にもこだわることをおすすめします。

トレンチコート

トレンチコートは老若男女を問わず世界中で愛用され続けており、優れた耐久性と防水性、そして戦闘服の機能性をベースとした、まさに機能美の塊のようなデザインが特徴的です。

トレンチには塹壕(ざんごう)という意味があり、イギリス軍が第一次世界大戦中に開発したコートが起源とされています。

ボタンやベルトなどの装飾が多いため、チェスターコートやステンカラーコートよりもかっちりとした印象になりますが、スーツだけでなく私服にも幅広く合わせることが可能です。

もともとは男性の着用するイメージが強いトレンチコートですが、近年では女性が着用するコートとしても定番になっています。

アルスターコート

アルスターコートはもともとアルスター地方の地域衣装であり、19世紀末から20世紀の初頭にかけてイギリスで流行したコートです。

上襟と下襟が同じ幅になっており、縁には太いステッチが施されています。チェスターコートに比べてスポーティーな仕上がりにはなっていて、気取り過ぎない雰囲気となります。

くわえてアルスターコートには重厚感があり、トレンチコートの原型ともされています。長い歴史があり、今もなお愛され続けているアルスターコートは、着こなしの幅を広げてくれるでしょう。

また、定番のチェスターコートよりも流通量が少ないので、周りとの差別化をはかりたい人におすすめです。

ポロコート

ポロコートは20世紀の前半に生まれたオーバーコートの一種であり、1920年代後半にはアイビーリーグの大体の学生が所有する定番のコートとして定着しました。

見た目はチェスターコートやアルスターコートにも似ていますが、バックルベルトや袖口の折り返し仕様、フラップ(雨ぶた)のついた張り付けポケットなど、ポロコートならではの特徴がいくつか存在します。

1980年代の半ばにもトレンドアイテムとして一時的に流行しており、今もなお愛され続けているコートです。

スーツに合うのはもちろんのこと、スポーティーな印象で私服にも合わせやすいので、オンオフ関係なく活躍するでしょう。

ビジネススーツに不向きなコートの種類

働く業界や職種によっては、ビジネススーツに不向きなコートもあります。

堅い雰囲気の業種であれば、あまりカジュアルになりすぎないよう注意しましょう。Pコートやダッフルコート、モッズコートなどはスーツに合わせることも可能ですが、カジュアルな印象が強く出ます。

しかし近年はビジネスシーンのカジュアル化が進んでいることもあり、業種にとらわれずにコート選びを楽しむ人が増えています。職場の環境と基本的なTPOをわきまえれば、あまり堅苦しく考えなくてもよいのかもしれません。

コートは体を覆うものですから、冬場の第一印象を決めるアイテムといっても過言ではないでしょう。毎日スーツで出勤するにしても、好きなコートを着られれば日々おしゃれを楽しめます。

スーツに合うカジュアルコートの種類

ここではスーツに合うカジュアルコートを7つ紹介します。

通勤時もおしゃれを楽しみたい人や、カジュアルなコートで周りと差別化をはかりたい人はぜひ参考にしてみてください。

ダウンジャケット/コート

カジュアルな印象が強いダウンジャケットですが、スーツと合わせてもオシャレに着こなすことが可能です。ものにもよりますが、ダウンジャケットは非常に防寒性が高いので、冬場の通勤や外回りも苦になりません。

「スーツには着丈の長いコートを合わせるもの」というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、最近ではダウンジャケットを組み合わせてカジュアルなビジネススタイルを楽しむ人も増えています。

そのため、スーツ×ダウンジャケットの着こなしはこれからさらに浸透するでしょう。ただ、あまりカジュアルすぎるダウンジャケットはスーツに合わせるのが難しいので注意が必要です。

スーツに合うダウンジャケットを探しているのであれば、定番色やシンプルなデザイン、マットな生地感のものをおすすめします。

ラップコート/ベルテッドコート

ラップコートは身体に巻きつけるように着用するコートで、ボタンの代わりにベルトを使用しているものが多く、リラックスした雰囲気が魅力です。

ベルテッドコートもラップコート同様にベルトで締めているデザインのコートで、ベルトの締め具合によってさまざまなスタイルを楽しめます。

どちらのコートもスーツに合わせやすく、ベルトを弱めに締めるとカジュアルな雰囲気を演出することが可能です。

ラップコート/ベルテッドコートは、スポーティーで少しリラックスした印象ながらも個性を出したい人におすすめのコートですが、メンズウェアの展開が少ないため、選択肢がほかのコートほど多くありません。

ただ、アウターで周囲に差をつけるという意味では挑戦しがいのあるアイテムといえるでしょう。

キルティングコート

キルティングコートは表地と裏地の間に中綿が入っており、その中綿がずれないよう全体にステッチが施されたキルティング素材のコートです。

縫い合わせの模様としてはダイヤ柄が一般的ですが、なかには波のような模様で縫い合わされているものもあります。

冬場に着るコートは多少なりとも重さがあることから「長時間着ていると肩が凝る」という人もいるかと思いますが、キルティングコートはほかのコートに比べて軽量なので、通勤時間が長くても快適に着続けることが可能です。

また、軽量ながらも中綿により保温性が高く、カジュアル・きれいめのどちらでもコーディネートを組みやすいため、一着持っていればさまざまなシーンに対応できます。

製品によっては撥水加工が施されているキルティングコートも存在するので、ビジネスシーンだけでなくアウトドア用としても使用できるでしょう。

Pコート

カジュアルながらもスタイリッシュさを兼ね備えているPコートは、スーツに合わせやすくコーディネートしやすいことから、幅広い年代の人気を集めています。

切り込みの大きいポケットや幅の広いリーファーカラー、ダブルブレストが特徴のPコートは、オーバーコートに比べるとややカジュアルなテイストですが、スーツとの相性も抜群です。

カラーが豊富なうえにさまざまな丈の長さが存在するので、自分の好みに合った一着を見つけられます。

ただ、ビジネスシーンで着用するのであれば、派手なカラーや丈の短すぎるものは避けた方が無難です。種類が豊富だからこそ、それぞれの着用シーンに適したものを選ばなければなりません。

ダッフルコート

ダッフルコートはフードが付いており、ボタンではなくトグルと呼ばれる留め具で前面を留めるのが特徴です。

もともとは北欧の漁師が仕事着として着用していたコートで、防寒性が非常に高いため、冷え込みが厳しい日でも寒さを最小限におさえながら通勤できます。

ただ、カジュアルな印象が強くあまりビジネス向きではないので、ダッフルコートをスーツに合わせる場合は着用する場面をしっかり考えることが大切です。

モッズコート

モッズコートはミリタリーウェアの一つであり、メンズファッションの定番アイテムです。

サイズは大きめでボリュームがあり、袖周りや裏地、フードにファーがついているものもあります。90年代の人気ドラマ・映画『踊る大捜査線』で、織田裕二さんが演じた青島のトレードマークとして、印象に残っている人も多いのではないでしょうか。

モッズコートをスーツに合わせる場合は、ボリュームがあるものではなく身幅が絞られたモデルを選ぶと、スッキリとした印象となります。

フィールドジャケット

フィールドジャケットは、野戦用に兵士が着用するアウターのデザインを元にしたジャケットです。

防水性や耐風性に優れているうえ、丈夫な生地が使用されていることから、実用的かつ機能的なアウターといえます。

カジュアルではありますがビジネスシーンにも馴染むため、さまざまな場面で活躍するでしょう。

スーツに合うコートの選び方

スーツに合うコートを選ぶ際は、色や素材、着丈、袖丈などに気を付けなければなりません。

自身の好みだけで選ぶと失敗してしまう可能性があるので、それぞれのポイントをしっかりおさえておくことが大切です。

ビジネスシーンで着用する場合はコートの種類にかかわらず、ブラックやグレー、ネイビー、ベージュなどのベーシックカラーのものを選びましょう。

色味が暗くなればなるほどかっちりとした印象を出しやすいため、その日の予定やスーツの色などをもとに調整してみてください。

素材

冬場のみコートを着用する場合は、保温性の高いウール素材のものがおすすめです。コートを着用しても暖かくなければ意味がないので、できるだけ保温性の高いものを選びましょう。

また、冬だけでなく秋〜春先にかけて着用したい場合は、使い勝手の良いポリエステル素材のものをおすすめします。

着丈

コートの着丈が長いとフォーマルな印象を与えられ、逆に着丈が短いとカジュアルな雰囲気で着こなせます。

ただ、スーツのジャケットよりもコートの着丈が短いと不恰好になるため、必ずスーツのジャケットよりも着丈の長いコートを選びましょう。

袖丈

袖丈が短すぎると動いた際に中のジャケットが見えてしまうので、袖丈は手首よりもやや長めくらいがベストです。

手首までしっかりと隠れていれば、だらしなさがないうえに寒さも防げます。

まとめ

改めて「スーツに合うコートを選ぶ」と考えると、悩んでしまうこともあるでしょう。しかし、選び方のポイントをしっかりおさえておけばビジネスシーンに適した一着を見つけられます。

コートにはさまざまな種類があり、デザインや仕様はそれぞれ異なるので、個性を出して周りと差別化をはかることも可能です。毎日スーツで出勤するにしても、コートでおしゃれを楽しめば仕事のモチベーションにもつながるでしょう。

職場の環境やその日の予定などを意識してコートを選べば、ワンランク上のコーディネートとなります。