社会人はスーツを何着持っていればいい?ケース別に見る必要な着数を紹介

社会人になるとスーツを着る機会が増えるため、最低でも3着のスーツが必要です。また、季節や年代によってスーツの素材と着こなし方を変えることで、相手に清潔感、信頼感などの好印象を与えられます。

この記事では、季節別や年代別にスーツの必要な着数やサイズ、デザインについて解説します。社会人になったけどスーツを何着持っていればいいのか分からない、どんなスーツを購入すればいいのか分からないという人は、ぜひ参考にしてみてください。

スーツが1着だけではいけない理由

社会人はスーツを着る頻度が上がりますが、同じスーツを毎日着続けるとよくありません。その理由を解説していきます。

毎日着用すると生地に負担がかかるため

スーツは毎日着続けると生地が傷みやすく、寿命が短くなってしまうため、複数をローテーションして着ることをおすすめします。

スーツの生地として使われるポリエステルやウールは摩擦に弱く、擦り切れたり毛玉ができたりしやすいです。歩きや階段を昇り降りする動作で、スーツが擦れて痛み、テカリの原因になります。

たくさん歩いたり、オフィスや商談で座りっぱなしになったりすると、シワができます。放置したまま着続けるとシワがなかなか戻らなくなるので、スーツに休息日を設けてシワをとりましょう。

また、食事の際などに汚してしまった場合クリーニングに出すこともあるので、その間に着るスーツが必要です。

クリーニングの頻度も重要で、スーツを繰り返しクリーニングに出すと生地が傷みやすく、クリーニング代もかかります。1日着たら数日休ませることで、スーツが長持ちするだけでなくクリーニングに出す頻度も少なくすみます。

汗や湿気などでも痛んでくるため

汗やホコリをそのままにすると、湿気から雑菌が繁殖しやすくなります。嫌な匂いの元になったり、汗染みがついたりして、スーツが傷む原因になるでしょう。さらに毎日連続して着ると、汗や皮脂がこもってカビが生えることもあります。

スーツを着用した後はクローゼットにそのまましまわず、ブラッシングしてからハンガーにかけて、風通しのよいところで休ませておくことで、湿気や汗抜きができます。また、数日休ませることでスーツの寿命が伸びます。

複数購入するのに最初は費用がたくさんかかりますが、1着のスーツを毎日着るよりも3着程度用意してローテーションして着用する方が、スーツが長持ちするため、長期的に見てコストパフォーマンスが高くなります。

スーツは1着だけだと何年着られる?

一般的にスーツの寿命は3~5年ですが、着る頻度、手入れの状況、スーツの素材などによって寿命が変わります。手入れを怠ったまま同じスーツを毎日着続けると、傷みやすく、半年ほどしか着られないケースもあります。

逆に、ブラッシングや乾燥など、こまめに手入れをすれば10年近く着られることもあります。ハンガーにかけずに脱ぎっぱなしにするとシワや型崩れの原因になり、スーツの寿命を縮めてしまうので、疲れていてもハンガーにかけて保管しましょう。

働き方別|社会人に必要なスーツの着数

社会人に必要なスーツの着数は、内勤か外回りか、人とよく会うかどうかによって違います。それぞれの働き方に合った着数を揃えておきましょう。

内勤・オフィスワーク

社外の人と会うことが少ない内勤やオフィスワークの人は、最低でも2着、できれば3着のスーツを持っておきましょう。

食事の際にスーツを汚してしまうことや、雨の日に濡れてしまった場合を考えると、クリーニングに出している間に着るスーツを持っておくとよいでしょう。

スーツが3着あれば、それぞれのスーツを2~3日休ませることができるので長持ちします。また、スーツを変えることは仕事のモチベーションを保つ意味でも有効です。スーツを変えることで、外出や人に会うことが少なくても、気分を変えて働けるでしょう。

営業・外回り

営業職は、外回りで社外の方と会うことが多いでしょう。その場合は、4~5着のスーツを持っておくとよいです。人と会う際に最も重要なのは清潔感であり、複数のスーツを着こなすことで、会う人に清潔感や好印象を与えやすくなります。

また、外回りの場合は移動が多く、よく歩くため、スーツが擦れて破れやすいです。カバンとスーツが擦れるほか、階段の上り下りなどでも生地が消耗します。

1着破れてしまったときのことを想定して、スーツを準備しておくと安心できます。4~5着用意するのが難しい場合でも、汚してしまった場合のことを考えて、最低3着は準備しておくとよいでしょう。

ちなみに、スーツが5着あれば1週間毎日違うスーツを着られるので、気分を変えたり、その日に会う人に合わせてスーツを選んだりできます。毎日のコーディネートを楽しめ、仕事のモチベーションも上がるので、5着持つことをおすすめします。

季節別|社会人に必要なスーツの着数

スーツを着て快適に過ごすには、季節ごとにスーツの素材を変えることも重要です。それぞれのシーズンで、必要な着数を揃えておきましょう。

春夏用

春から夏にかけては気温が上がり、汗をかきやすくなります。とくに夏場の炎天下では、10分歩いただけでも100mlの汗をかくため、春夏用スーツを2~3着持っておくとよいでしょう。

汗や湿気を乾燥させるのに2~3日スーツを休ませることで、嫌な匂いの元やカビを防げます。スーツを休ませることを考えると、汗をかきやすい夏場は3着以上のスーツが必要でしょう。

通気性のよい生地を選ぶことで、嫌な匂いやカビを防ぐこともできます。春夏用の定番素材はサマーウールで、薄手でもハリやコシがあり通気性に優れています。

リネンは夏服素材の代表で、吸水性や発散性、日差しを防ぐ効果もあります。ヤギの毛からできているモヘアという素材はシワに強く、きちんとした印象を作れます。

このような、通気性のよい素材でできたスーツを3着持っていれば、汗や匂いを気にしすぎることなく、安心して仕事に集中できるのでおすすめです。

秋冬用

秋服用スーツは、2~3着持っていると寒い冬も快適に過ごせます。とくに、外回りが多い人は多めに持っておくとよいでしょう。

秋冬用のスーツはウール素材が主流ですが、カシミヤやアンゴラで仕立てられているものもあります。人気があるのは、ウールを起毛加工して作られたフランネルや、太い糸で織られているツイード生地です。

また、夏用は通気性のよい背抜き仕様になっているのに対して、冬用は総裏仕様で生地が厚く、保温性が高くなっています。季節によってスーツを変えることで、快適かつスーツを長持ちさせることができるでしょう。

年齢別|社会人に必要なスーツの着数

どの年代でも必要なスーツの着数はほとんど変わりませんが、新卒の20代と40代では仕事での役割も変わってきます。年代に合わせてスーツを新調しましょう。

20代の場合

20代の社会人は、日々スーツをローテーションして着ることを考慮して、3着持っているのがベストでしょう。20代だとまだスーツを着慣れていない人も多く、スーツを買うハードルも高いと感じるかもしれません。

しかし、機能性のあるスーツを最初に3着準備しておくことで、汚してしまったときや雨に濡れた場合、仕事上の重要なシーンの際に焦らずに済みます。

また、スーツを着こなしてフレッシュさを演出したり、同僚や先輩から話しかけられやすい雰囲気を作ったりできます。

自分のスーツを選んで着こなす自信がない場合は、お店で販売員に相談して似合うスーツを探しましょう。働く業界や職種、どんなシーンでスーツを着るのかを丁寧に伝えれば、用途に合ったスーツを提案してくれます。

30代の場合

30代の社会人は、3着以上スーツを持っておくと便利です。20代で着ていたスーツはサイズが合わなくなっていることもあるので、サイズが合っているかを再度確認する必要があります。

お腹まわりがきつくなったり、ジャケットのボタンが閉まらなかったり、だぼついたりしている場合は、会う人にだらしない印象を与えてしまいます。また、サイズが合っていないと生地の破れやシワにつながるため、新しいスーツを用意しましょう。

スーツを長く着ていると、生地が傷んでテカリやほつれが出てきている場合もあるので、日々の手入れの際に確認しましょう。テカリやほつれなどを発見したら、なるべく早くスーツを新調して、常に3着以上持っておくことをおすすめします。

30代は仕事に慣れてスーツを着慣れているので、20代の時よりも少し高級感のあるスーツを選び、取引先、職場の後輩や上司に信頼感を与えるように心がけましょう。

40代の場合

40代の場合も同様に、3着以上スーツを持つとよいでしょう。40代では、仕事面で重い責任を負う立場になる人も多く、取引先との大切な契約やクレーム対応、たくさんの部下のまとめ役など、忙しい状況が続くかと思います。

その場合も、サイズや形の合ったスーツをローテーションして着こなすことで、周りからの信頼感を得られ、仕事で飛躍できるでしょう。

40代になると周りからも責任ある立場として見られるため、スーツの素材はワンランク上のものを選び、デザインにこだわるのもよいでしょう。

またその場合は、自分の好みだけでなく販売員や周りの意見を聞くことで、相手目線かつ自分に合ったスーツを見つけられます。そうすることで、会議やクレーム対応など、そのときのシーンに合わせてスーツを選べます。

スーツと揃えておきたいシャツやネクタイの数

スーツに合わせるワイシャツとネクタイを揃えておきましょう。常に清潔感や好印象を与えられるように、汚してしまったときや、忙しいときにも対応できる枚数を揃えるとよいです。

シャツの枚数

ワイシャツは最低でも5枚揃えておきましょう。スーツと違って直接地肌に触れるため、汗染みが付きやすく、白やブルーなど色が薄いものは汚れも目立ちやすくなります。

5枚あれば、忙しくて洗濯やアイロンが間に合わなくても、次の休みまで着るものに困らず安心です。

また5枚揃えておけば、1週間毎日違うワイシャツを着て気分を変えられます。スーツを3着しか持っていなくてもシャツを変えることで、毎日のコーディネートを楽しめます。

ネクタイの本数

毎日スーツを着る場合は、ネクタイもワイシャツと同様5本以上揃えておくとよいでしょう。ネクタイを締めると、ネクタイに締めた跡が付きます。跡は1週間ほどで消えるので、5本あれば休ませる日ができて長持ちします。

また、複数の色や素材のネクタイを持っておくことで、シーンに合わせたコーディネートをしやすくなります。ネクタイの色やデザインで知的さや明るさ、親しみやすさを演出することもできるでしょう。

ネクタイにこだわりたい方は10本、毎日スーツを着ない人は色や素材の違うネクタイを3本ほど用意しておけば困りません。シャツやスーツと合わせたときにチグハグにならないように、あらかじめネクタイを揃えておきましょう。

スーツを揃える際の選び方

スーツを選ぶうえで重要なポイントは、サイズ、色、柄、デザインです。それぞれのポイントを押さえて、自分に似合うスーツを選びましょう。

自分の体型に合ったサイズを選ぶ

スーツは、自分の体にぴったりとフィットするジャストサイズを選ぶようにしましょう。大きすぎるとダボダボだとシワが寄って、だらしない印象になります。

着丈はお尻が隠れるくらいで、袖丈はシャツが1cmほど出るサイズを選ぶとちょうどよいです。パンツの裾丈は、裾の前部分が靴に少し触れる程度か、靴の甲に触れて折り目がひとつできるくらいです。

清潔感を出すうえでも、サイズ選びは大切です。体にぴったり合ったサイズのスーツを着るだけでスーツに高級感が出るほか、スタイルがよく見えて好印象を与えやすくなるので、購入時にはしっかりサイズを確認しましょう。

ベーシックな色を選ぶ

ビジネススーツの定番カラーは、ネイビーです。ネイビーは知的で真面目な印象を与え、好印象を与えます。少し明るいネイビーであれば、若々しく活動的な印象を与えることもできます。

グレーもネイビー同様定番のカラーで、落ち着きや品がある印象を与えることができますが、ライトグレーになると少しラフな印象になります。

ブルーのネクタイやシャツと合わせると、爽やかな印象を作ることも可能です。欧米では、グレーは役職のあるエグゼクティブが選ぶ色とされています。

シンプルな柄やデザインを選ぶ

無地やシャドーストライプなど、シンプルなものはフォーマルな印象を与えるのでおすすめです。シャドーストライプは、遠くから見ると無地に見える薄いラインが入っています。さりげないので、シャツやネクタイも合わせやすく飽きがこないでしょう。

濃いラインや柄が入ったものは、シャツやネクタイと合わせにくく、カジュアルな印象になります。フォーマルな場面で着用しにくく、飽きがきてしまうので、なるべくシンプルなものを選びましょう。

オーダースーツも検討してみる

自分の体型や、好みに合ったオーダースーツを作るのもよいでしょう。長い間スポーツをしていて肩幅が広かったり、筋肉がついたりしている人は、体に合った既製のスーツを見つけるのが難しい場合があります。

その点オーダースーツなら、体の隅々まで採寸するため、スーツがフィットするように仕立てられます。確実に自分に合ったサイズのものが手に入り、何店舗も巡ったにも関わらず自分に合うスーツが見つからなかったと悩む必要がありません。

サイズがぴったりなので着心地がよく、裏地やボタンなど細かなところまで選べるので人と被らないうえに、サイズや生地、形なども妥協せずに好みのものを選べます。自分だけのお気に入りのスーツを着れば、仕事へのモチベーションも上がるでしょう。

まとめ

社会人になったら、さまざまなシーンに対応できるシンプルなスーツを3着以上持っておきましょう。シンプルなスーツを3着以上持っていれば、清潔感や好印象を与えられ、急な仕事や用事にも備えられます。

また、最初は費用がかかりますが、ローテーションして着ることでスーツが長持ちするので、結果的にコストパフォーマンスがよいです。

スーツ以外にはワイシャツを5枚以上、ネクタイを3~5本以上揃えておくことで、汚してしまったときの替えやコーディネートの変化を楽しめます。

服装を侮らずに日々しっかりと整えておくことで、仕事のチャンスやプライベートも充実します。スーツの知識を持つ販売員やフィッターと相談しながら、ぜひ自分の体に合うお気に入りのスーツを手に入れてください。