スーツの保管方法を一般的な場合と長期的な場合にわけて解説

スーツを長持ちさせるには、保管方法と手入れが重要です。適切に保管しなければ、型崩れやカビといった、スーツを傷める原因になるからです。ビジネスマンに欠かせないスーツは、保管方法と手入れ次第で、長く愛用できるのをご存じでしょうか。
今回は、スーツの保管方法・手入れの仕方やスーツ以外のアイテム保管方法も紹介します。スーツの手入れ方法や保管方法を身につけて、長く愛用できるようにしましょう。

スーツの保管に適した環境とは

スーツを長く愛用するには、適切な保管場所が重要です。では、どのような場所に保管すればよいのでしょうか。ここでは2つのポイントで解説します。

1つ目は湿気の有無です。湿気は衣服にとって非常に厄介な存在といえます。湿気の影響で、カビやニオイが発生する原因になるからです。そのため、スーツを湿気から守るには、通気性のよい場所で保管するのがおすすめです。

2つ目のポイントは、直射日光があげられます。いくら風通しがよくても、スーツに日が当たってしまっては台無しです。なぜなら、スーツに直射日光が当たると、変色や色落ちの原因になるためです。

そのため、スーツの保管には通気性がよく、直射日光が避けられる環境が最適だといえます。

スーツの一般的な保管方法

スーツは、一般的に夏用で3年、冬用で4年が寿命です。しかし、適切な保管方法や手入れを行えば、長く着用できます。反対に、適当に扱えば、当然スーツの寿命も短くなるでしょう。

気に入っているスーツや奮発して購入したスーツは、長く愛用したいものです。そのため、スーツには、正しい保管方法と定期的な手入れがとても重要です。ここでは、スーツを保管する際の手入れや収納するまでの工程を、6つの手順で紹介します。

1.ポケットの中身をすべて取り出す

スーツの保管前に、必ずポケットの中身を確認しましょう。ポケットの中にモノが入ったままだと、シワや汚れの原因になるからです。ポケットに入りがちなのは、小銭・紙幣・名刺などがあげられます。

また、ポケットにアメやガムなどを入れたまま放置すると、カビやアリなどの虫被害にあうかも知れません。そのため、ポケットの中身はすべて取り出しましょう。

2.ブラッシングする

スーツを保管する際、ブラッシングはとても重要です。スーツに付着したホコリや花粉を除去し、毛玉や虫食いを予防できるからです。さらに、ブラッシングはスーツに光沢も出せるため、スーツがより美しく仕上がります。

ブラシの素材としては、天然毛100%のブラシがおすすめです。ブラシは主に2種類の毛質があり、豚毛はかための毛質でハリがあるため、化学繊維やツィード素材に適しています。

一方、馬毛はきめ細かく柔らかい毛質で、豚毛より高価ですが、デリケートな素材に最適です。このように、ブラッシングはスーツの寿命を延ばすために欠かせない手順です。

3.スチームアイロンをかける

アイロンがけは、シワを伸ばすだけでなく、スーツに付着した虫や卵などを滅却できる効果もあります。そのため、スーツを保管するうえで、アイロンがけは必須の手順といえます。

アイロンがけを行う際は、洗濯絵表示で温度を確認しましょう。生地の種類によっては、高温でアイロンがけをすると、生地が傷んでしまうからです。また、アイロンがけの際は、生地のテカリ防止のために、あて布で行います。

あて布をすれば、生地に直接アイロンが触れないため、生地が傷みにくいメリットがあります。そして、アイロンがけは、部分ごとに分けて行うのが基本です。部分ごとにアイロンがけした方が、キレイに仕上がります。

具体的には、袖・襟・胸ポケット・裾など、一か所ずつアイロンがけしていくとよいでしょう。

4.専用のハンガーを使う

スーツを保管する際は、スーツ用ハンガーを使います。100円ショップなどで売っている一般的なハンガーは幅が狭く、強度も低いため、スーツの保管には不向きです。その点、スーツ用ハンガーは、シワや型崩れが起きにくいため、保管に向いています。

スーツ用ハンガーには、木製・プラスチック製・ステンレス製など、豊富な種類があります。木製ハンガーは、吸湿性が高く、型崩れしにくい点がメリットです。また、破損しにくいため、長く愛用したい方にはぴったりです。

さらに、木製ハンガーは高級感がでるため、センスよくスーツを保管できる点も魅力のひとつです。このように、吸湿性・耐久性・センスのよいクローゼットにするには、木製ハンガーはおすすめの素材といえます。

プラスチック製ハンガーは、価格が安価なところが人気です。また軽量のため、スーツを持ち運ぶ際にも、移動が苦にならない点も魅力です。そして、耐水性にも優れているため、濡れたスーツをハンガーにかけても劣化しにくい特徴があります。

スーツを保管する際、できる限り費用を抑えたい方は、プラスチック製ハンガーがおすすめです。

ステンレス製ハンガーは、オシャレなデザインが多く販売されています。そのため、木製ハンガーとは違ったオシャレさを演出できる点は大きな魅力です。もうひとつの強みは、壊れにくい点があげられます。

ステンレス製ハンガーは、鉄で作られているため、耐久性が高く、錆びにくいです。一度購入すれば、何年も使い続けられるのは、ステンレス製ハンガーの大きなメリットといえます。以上のことから、スーツ用ハンガーを選ぶ際は、自身の環境に合ったものを選ぶとよいでしょう。

5.風通しのよい場所で休ませる

スチームアイロンでスーツのシワを伸ばしても、すぐには収納できません。スーツが含んだ水分が残っているからです。水分を含んだ状態で収納すると、カビや生乾きのニオイの原因になります。そして、スーツは直射日光を避け、日陰で風通しのよい場所で水分を飛ばします。

なぜなら、直射日光にあたると色焼けしてしまうためです。そのため、スーツの水分を飛ばす際は、適切な場所で干してから収納するようにしましょう。

6.クローゼットで保管する

ブラッシング・アイロンがけ・陰干しなどが完了したら、スーツをクローゼットに収納します。その際、スーツ間を2㎝ほどあけましょう。スーツ同士がこすれたり、湿度が高くなったりしないようするためです。

そのため、スーツを長持ちさせるためにも、収納場所は十分なスペースを確保しておきましょう。

スーツの長期的な保管方法

衣替えによって、長期間スーツを着用しない場合は、どのように保管・手入れをすればよいのでしょうか。ここでは、長期間スーツを保管する場合の保管方法を詳しく解説します。

1.クリーニングに出す

スーツを長期間保管する場合、クリーニングを利用するのがおすすめです。クリーニングは、ドライクリーニングと呼ばれる有機溶剤を使用する方法で行います。ドライクリーニングは、油性の汚れを落とすのが得意なクリーニング法です。

しかし、汗や食べこぼしなどの水溶性の汚れは、落ちにくい欠点があります。そのため、汗などの汚れが気になる方は、料金は高くなりますが、水溶性の汚れが得意なウェットクリーニングを追加するとよいでしょう。

2.戻ってきたスーツのビニールを取る

クリーニングから返却されたスーツは、ビニールを取ります。ビニールはホコリなどから衣類を守れますが、通気性が悪く、カビやニオイの原因になります。したがって、クリーニングから返却後は、ビニールを必ず取るようにしましょう。

3.不織布製のカバーをかける

クリーニングから返却されたスーツは、ビニールからはずして、不織布カバーで保管するのがおすすめです。なぜなら、不織布カバーは、湿気が溜まりにくく、通気性がよいからです。

ただし、不織布カバーを使用する際は、スーツを完全に乾かしてからカバーをかけるようにしましょう。湿ったままカバーをかけると、カビの原因になるため、注意が必要です。

なお、不織カバーはネットであれば、2,000円前後で購入できるので、手軽に手に入る点もうれしいポイントです。

4.防虫剤と除湿剤を入れる

スーツに不織布のカバーをかけたら、次はクローゼットに防虫剤・除湿剤を入れます。虫食いや湿気のリスクが低減できるためです。クローゼット内は、通気性が悪く、湿気が溜まりやすい状況です。

したがって、除湿剤を入れておけば、クローゼット内の通気性の悪さを改善できます。また、虫食いのリスクもあるため、防虫剤も入れておくと安心です。最後に、定期的にクローゼットを開け放ち、クローゼット内の空気の循環も忘れずに行いましょう。

ジャケットやネクタイなどの保管方法

ジャケットやネクタイなどもスーツと同様に、適切な保管方法と手入れが必要です。適当にハンガーにかけたり、ネクタイをそのまま床に放置したりすれば、劣化の原因になります。具体的にはシワ・シミ・カビなどです。

シミやカビが発生してしまうと、クリーニングや最悪の場合、アイテムを買い直すといったコストがかかってしまうかも知れません。そのため、正しい保管方法が重要です。

以上のようなトラブルを回避するために、次項からスーツ以外のアイテムの保管方法を詳しく紹介します。

ジャケット

ジャケットの保管には適切なハンガー選びが大切です。適当なハンガーでは、シワや型崩れの原因になるからです。適切なハンガー選ぶには、3つのポイントがあります。

1つ目は、肩にフィットするハンガーを選びましょう。ジャケットの形に適さないハンガーでは、型崩れの原因になります。ジャケットを長く使用できるよう、肩にフィットしたハンガーを選ぶとよいでしょう。

2つ目は、太めのハンガーを選びます。クリーニングから返却されたジャケットは、針金程度の太さのハンガーが多いです。このようなハンガーで保管すると、型崩れやシワの原因になります。

また、細いハンガーでは、スーツの内側に空間を作れず、風通しも悪くなってしまいます。こうしたことから、スーツを支える部分に厚みがあるハンガーを選びましょう。

3つ目は、木製のハンガーを選びましょう。木製ハンガーは、吸湿性があるため、スーツに含まれる余分な水分を吸収してくれます。また、湿気を吸収するため、カビやニオイの発生を抑制する効果も期待できます。

とくに、湿度が高い季節や場所では、木製のハンガーがおすすめです。

ネクタイ

ジャケットやシャツよりも保有数が多くなるネクタイですが、保管方法を適切にしないと多くの問題が起きるかも知れません。そうらないために、ネクタイの上手な保管方法を3つ紹介します。

1つ目は、丸めて保管する収納法です。ネクタイの小剣側(先が細い方)から、クルクル巻いていきます。きつめに巻くと型崩れするので、ふわりと丸めるのがポイントです。ショップで陳列されるような置き方のため、オシャレ感を演出できる点はメリットといえます。

2つ目は、吊るして保管する収納法です。ネクタイの本数が多い方は、専用ハンガーに吊るすことで、省スペースでの保管が可能となります。注意点として、生地が伸びてしまうリスクがあるため、素材によっては、収納法を変えた方がよいでしょう。

3つ目は、平置きで保管する収納法です。ネクタイの収納では一番おすすめの保管法です。シワがつかずに、生地が伸びる心配もありません。2つ折り・4つ折りにしてから保管するのが一般的です。

パンツ

パンツの保管は、基本的に「たたむ」・「はさむ」ことで簡単に収納できます。たたむ収納法より、専用ハンガーで挟んで吊るす方が収納面では人気です。そして、パンツ専用ハンガーの大きなメリットは、シワにならない点です。

仕事から帰宅後、すぐにハンガーにパンツをかければ、パンツの重さで自然にシワが取れます。また、パンツ用ハンガーはジャケット用ハンガーに比べ、スリムに設計されています。そのため、上手に活用すれば、限られたスペースに多くのパンツを保管することも可能です。

まとめ

本記事では、スーツの保管方法や手入れ方法、シワやカビが発生した場合の対処法について解説しました。スーツは、ビジネスシーンで重宝される重要なアイテムです。そのため、適切な手入れを行えば、何年も愛用できるようになります。

さまざまな場面で活躍するスーツのため、自分だけのオリジナルのスーツを持っておくのも選択肢のひとつです。オーダースーツであれば、通常で購入するスーツより、着心地やフィット感など格段によくなります。

オーダーボックスでは、顧客の特徴にマッチしたスーツを仕立ててくれます。メンズ・レディースどちらにも対応していて、生地もインターネットで調べられるので、とても便利です。

スーツの買い替えを検討中の方は、オーダーボックスに一度、問い合わせてみることをおすすめします。