スーツというと白シャツが定番ですが、スーツの着こなしをワンランク上のものにしたいなら、青シャツも積極的に着用してみましょう。
青シャツは、知的でさわやかな印象を簡単に与えられるアイテムです。ビジネスシーンはもちろん、葬儀以外の冠婚葬祭の場でも着用できるので、1着持っておくと着こなしの幅が広がります。
しかし、青シャツを着るとなると、どんなネクタイを合わせればよいか迷ってしまう人も多いでしょう。コーディネートを考えるのが難しいために、無難な白シャツばかり着ているという人もいるのではないでしょうか。
本記事では、青シャツに合わせたいネクタイの色や柄、シーンやスーツごとのおすすめの組み合わせなど、コーディネートのヒントをご紹介します。この機会に、青シャツでワンランク上の洗練された着こなしにチャレンジしてみてください。
青シャツに合うネクタイ選びのコツ
スーツに合わせるシャツは白が定番ですが、より洗練された着こなしを楽しみたいなら、青シャツもおすすめです。ビジネスシーンでは派手な服装は避けるべきとされていますが、青シャツはそこまで華美ではないので、白シャツと同じように着用できます。
また、オーソドックスな白シャツと違い、知的でさわやかな印象を与えられるのも魅力です。青シャツはカラーシャツの定番でもあるので、サックスブルーのものを1着持っておくと、普段の着こなしがぐっとこなれたものになります。
サックスブルーのシャツなら、同じサックスブルー以外はほとんどの色のネクタイがマッチするので、初心者もコーディネートがしやすいでしょう。とくにネイビーやエンジなどの暗い色と相性がよく、暗い色ならネクタイだけ浮いて見えることがありません。
一方、ネイビーに近い濃い色の青シャツは、おしゃれ上級者向けです。合わせるネクタイの色によっては、うるさい印象になってしまうので、コーディネートするアイテムに気を付けましょう。
着用シーンに合わせる
青シャツに合わせるネクタイを選ぶ際は、まず着用シーンを確認しましょう。ビジネスシーンで着用するのであれば、できるだけ落ち着いた色柄のものがおすすめです。
太めのストライプや大きめのチェック・ドットなどのネクタイは、カジュアルな印象が強くなります。かしこまったシーンで柄もののネクタイを着用するときは、無地のほか細かい柄・シンプルな柄のものを選びましょう。
逆にカジュアルなパーティーなどで着用するのであれば、敢えて大柄や明るい色のネクタイを選ぶと場が華やぐのでおすすめです。どんなシーンで着用するかを考えることで、ネクタイが選びやすくなるでしょう。
素材や品質にこだわる
ネクタイとひと口に言っても、リネンやシルク、ウール、コットンなど、使われている素材はさまざまです。夏はリネン、冬はウールなど、季節に合わせてネクタイの素材を変えると、よりおしゃれで洗練された着こなしが楽しめます。
青シャツに合わせるネクタイを選ぶときは、ネクタイの質感や品質にもこだわりましょう。青シャツは、白シャツに比べると少しカジュアルな印象を持たれやすく、チープな質感のネクタイを合わせると途端に印象が悪くなってしまいます。
そのため、できるだけ手触りがよさそうな、質のよいネクタイを選びましょう。すぐにほつれてしまうような安物のネクタイは避け、きちんと感のある大人の着こなしを意識してみてください。
スーツやジャケットの色柄も考慮する
青シャツに合わせるネクタイは、スーツやジャケットの色・柄も考えながら選びましょう。どれだけネクタイの質感や色柄にこだわっても、スーツやジャケットを着たときに全体のバランスが取れていないと、野暮ったい印象になってしまいます。
スーツを着たときの胸元は、ネクタイ・シャツ・スーツが一度に目に入るポイントです。ここに使われている色が3色以上になると、見る人の視点が定まりにくくなり、目が疲れてしまいます。
使われている色が3色以内であれば、柄物のシャツ・ジャケットに柄物のネクタイを合わせてもかまいません。
もし柄物に柄物を合わせるのが難しいと感じる場合は、ネクタイまたはスーツ・ジャケットのどちらかを無地にしましょう。片方を無地にすることで、すっきりとした印象の胸元になります。
青シャツに合うネクタイの色の組み合わせ
ここからは、青シャツに合うネクタイの色の組み合わせをご紹介します。
合わせるネクタイの色によって、人に与える雰囲気は大きく変わります。ぜひ、色の持つ印象にも注目しながら、合わせるネクタイを選んでみてください。
ブルー系ネクタイ
ブルー系のネクタイは、初めて青シャツを着る人におすすめの組み合わせです。同系色なので、誰でも簡単にまとまりのある着こなしができます。
白シャツに合わせると、真面目過ぎる印象を与えがちな青いネクタイも、青シャツならそこまで生真面目な印象にならないのもポイントです。
青シャツに青系のネクタイを合わせるときは、シャツの色とネクタイのコントラストを意識しましょう。サックスブルーのような淡い色の青シャツに、淡い色のネクタイを合わせると、締まりのないぼんやりとした印象になってしまいます。
淡い色の青シャツに合わせるのであれば、はっきりとした濃いめの色のネクタイを選びましょう。メリハリのある色使いにすることで、洗練された着こなしになります。
ネイビー系ネクタイ
ネイビー系も、青シャツと相性がよい色です。同系色なので、シャツとネクタイの間で自然なグラデーションが生まれ、誰が着ても統一感のある着こなしになります。
青シャツとネイビー系のネクタイを合わせるときは、スーツもネイビーにするとより統一感が出ます。ネイビーが持つ重厚感やシックな雰囲気を青シャツが程よく和らげてくれるので、とっつきにくさや話しかけにくさを感じさせない、落ち着きのある雰囲気が演出できます。
ブラウン系ネクタイ
ブラウン系のネクタイは、白シャツと合わせると途端に老けた印象になってしまいがちです。しかし、青シャツとの組み合わせなら極端に老けた印象にはならず、上質感や大人の落ち着き、洗練された印象を与えられます。
ビジネスシーンでとくに印象のよい組み合わせなので、青シャツを購入するときは、ブラウン系のネクタイも一緒に購入することをおすすめします。
イエロー系ネクタイ
インパクトのある着こなしをしたいときは、イエロー系のネクタイをチョイスしましょう。黄色は青と正反対の色でインパクトがある配色なので、人に覚えてもらいたいときや、自分の印象を強めたいときにぴったりです。
黄色は、もともと明るさや活発さ、親しみやすさなどを感じさせる色ですが、人によっては「軽い」「浮ついている」といった印象を持たれることがあります。
しかし真面目でクールな印象の青シャツと組み合わせれば、黄色の持つマイナスな印象を和らぐので、ほどよい親しみやすさと活発さを印象付けることができます。
初心者には難しいと感じられるかもしれませんが、イエローといってもさまざまなトーンの色があるので、まずはパステルイエローなど控えめな色から試してみましょう。
グリーン系ネクタイ
おしゃれ上級者には、グリーン系のネクタイがおすすめです。緑には青と黄色が含まれているため、青の統一感と黄色のインパクト、両方のよいところを取り入れられます。
そこに、緑そのものが持つリラックスした印象も加わるため、少しカジュアルな雰囲気に仕上がるのもポイントです。
相手に緊張感を与えたくないときや、やさしさ・親しみやすさを表現したいときに、緑のネクタイを活用してみましょう。
エンジ系ネクタイ
青シャツのコーディネートのアクセントになるのが、エンジ系のネクタイです。エンジ系のネクタイは、自信や力強さを表すのに適した色ですが、白シャツに合わせると人によっては主張が強すぎると感じられることがあります。
しかし、青シャツと合わせるとその強さが程よく中和され、落ち着いた印象のコーディネートになります。
青シャツとエンジ系ネクタイの組み合わせは、さわやかさのなかに自分の主張や強さを表したいときにふさわしい、定番の組み合わせです。
青シャツに合うネクタイの柄の組み合わせ
ここからは、ネクタイの柄に焦点を当てて、青シャツとの組み合わせを解説します。人に与える印象は、ネクタイの色だけでなく柄によっても大きく変わるので、ぜひ柄にも注目してネクタイを選んでみましょう。
ソリッドネクタイ
ソリッド（無地）は、着用するシーンを選ばない定番の柄です。白シャツと合わせるとのっぺりした印象になりがちですが、青シャツに合わせればおしゃれに着こなせます。
柄の主張がない分、ネクタイの印象が弱くなりがちなので、ソリッドのネクタイを選ぶ際は色や素材にこだわってみましょう。
ストライプ柄ネクタイ
ストライプ柄は、ビジネスシーンの定番柄です。真面目で知的な印象を与えられるので、とくに人気があります。
ストライプ柄を選ぶときは、着用するシーンに合わせてストライプの幅を変えましょう。ストライプの幅が広くなればなるほどカジュアルな印象になるため、大事な商談や会議などの場で着用する場合は、ストライプの幅が細いものがおすすめです。
逆にカジュアルなシーンで着用するなら、ストライプ幅の広いものを選ぶと、親しみやすい雰囲気になります。
ドット柄ネクタイ
さわやかな印象のドット柄は、同じくさわやかな印象の青シャツと相性がよい柄です。ただし、シンプルな着こなしになってしまいやすいので、ドットの大きさや配色を工夫しましょう。
ドット柄は、ドットが大きければ大きいほど明るい印象に、小さければ小さいほど落ち着いた印象なります。ドットといっても、ピンドットやポルカドット、コインドットとさまざまな種類があるので、着用するシーンに合わせて選ぶことが大切です。
チェック柄ネクタイ
チェック柄は、カジュアルで親しみやすい雰囲気が魅力です。ビジネスシーンで着用する場合は、できるだけ使われている色が少ないものを選びましょう。
チェックの中に青系の色が使われているものなら、青シャツと合わせるとバランスがよく、まとまりのある印象の着こなしができます。使われている色の数が多いものは、胸元が散らかった印象になるので、避けたほうが無難でしょう。
小紋ネクタイ
小紋柄は、柄の大きさや配色によって与える印象が変わるので、組み合わせを考えるのが楽しい柄です。
小紋柄は、柄が小さければ小さいほど、落ち着いたシックな印象になります。海外の紋章などを大胆にあしらった柄の大きなネクタイは、組み合わせを間違うと下品な印象になってしまうので要注意です。
遊び心のある着こなしを楽しみたいときは、シャツの色と反対の黄色やオレンジが入ったネクタイを選びましょう。小紋柄は真面目な印象を与える柄なので、敢えて反対色の入ったものを選ぶことで抜け感が出て、適度な親しみやすさを演出できます。
青シャツとネクタイの合わせ方
青シャツに合わせるネクタイを選ぶ際は、着用シーンも考えて選びましょう。一般的に、柄が大きくなればなるほど、フォーマルなシーンには向かないとされています。
ビジネスシーンとカジュアルシーン、それぞれのネクタイの合わせ方をお伝えします。
ビジネスシーン
ビジネスシーンにおすすめのネクタイは、定番のストライプ柄です。ストライプ柄のなかでも、幅が細く、使われている色が少ないものを選びましょう。
無地の青シャツを着用するなら、濃くはっきりとしたトーンの同系色のネクタイを合わせるとまとまりが出ます。
ストライプ柄の青シャツを着用する場合は、ストライプの柄に使われている色でアクセントを加えるとスタイリッシュに着こなせます。
カジュアルシーン
オフィスカジュアルが推奨されている職場なら、もう少しカジュアルな雰囲気の着こなしを楽しむのもよいでしょう。濃い色の青シャツや、白い衿が付いたクレリックタイプの青シャツを着用すると、程よくカジュアルダウンした着こなしができます。
統一感のある着こなしをしたいのであれば、スーツの色と同系色のネクタイを合わせましょう。ネクタイの色柄はもちろん、素材や質感にもこだわって季節感を意識させると、着こなしが一気に洗練されたものになります。
ジャケットを脱いだときの印象や雰囲気も踏まえて、コーディネートを考えてみてください。
青シャツに合うスーツの組み合わせ
青シャツによく合うスーツの色は、ネイビーやグレー、黒です。ここからは、青シャツとそれぞれのスーツをコーディネートするポイントをお伝えします。
ネイビースーツ
ネイビースーツは、おしゃれ初心者でも青シャツとコーディネートしやすいのが魅力です。白シャツよりも青シャツとの相性がよいので、初めて青シャツを着る人はネイビースーツとの組み合わせからはじめてみるとよいでしょう。
同系色のネイビースーツなら、ジャケットと青シャツで自然な青系のグラデーションができ、統一感のある着こなしができます。
シャツは、ほとんど白と変わらないような薄い色のものは避けたほうが無難です。白に近ければ近いほど、制服のように見えて幼い印象になってしまいます。
薄い色の青シャツを合わせるときは、ストライプやチェックなど少し柄が入ったシャツにすると、適度に若々しさが感じられる素敵な着こなしになるでしょう。
グレースーツ
グレースーツは、青シャツを合わせることで、落ち着いた雰囲気にさわやかさと抜け感をプラスできます。誠実さだけでなく親しみやすさも演出できるので、ビジネスシーンにとくにおすすめの組み合わせです。
グレー系のスーツに青シャツを合わせるときは、パステルカラーのような淡い色のネクタイよりも、はっきりした色のネクタイを選びましょう。濃い色のネクタイを合わせることで着こなしにメリハリが出て、よりスタイリッシュな印象になります。
黒スーツ
一般的に、黒スーツは冠婚葬祭や改まった場で着用するものです。ビジネスシーンで着用してはいけないというルールはありませんが、礼服と間違われやすいので避けたほうが無難です。
黒スーツを着用する場合は、サックスブルーのような淡い色の青シャツを選ぶとよいでしょう。引き締まった色の黒スーツに青シャツを合わせることで、さわやかさがプラスされ、きちんとした印象の着こなしになりますよ。
淡い色の青シャツなら、ビジネスシーンだけでなく就活や結婚式などでも着用でき、着回しがきくのもポイントです。
まとめ
青シャツのコーディネートは、ポイントを押さえれば決して難しくありません。青シャツのコーディネートを考えるときは、スーツの色・柄とのバランス、着用するシーンを考えてネクタイを選ぶことが大切です。
青シャツは、さわやかで知的な印象を与えられるアイテムです。白シャツでは少し幼く見えてしまうコーディネートも、青シャツに変えるだけでぐっと洗練されたものになります。
ビジネスシーンでもカジュアルシーンでもスタイルの幅を広げてくれる青シャツを積極的に活用して、自分に合ったスーツの着こなしを考えてみましょう。
