【メンズ編】ドレスコードの基本から種類まで徹底解説

冠婚葬祭やパーティーの席などは、ドレスコードが求められます。大人になるとそういった席に出向くことが多くなりますが、実際にドレスコードを指定されて困ったことがありませんか?

男性の場合、スーツやジャケットを着るパターンが多いですが、場所や場面によって細かく違うのがドレスコードのむずかしいところです。

そこで今回は、男性のドレスコードの基本・種類・注意点などをお話ししていきます。しっかりと理解して、いざという時に役立ててください。

ドレスコードの基本

ドレスコードとは、そもそもどのような意味があり、なぜ必要なのでしょうか。まず基本的なことからお話ししていきます。

意味

ドレスコードとは、場所・時間・場面に沿った服装規定のことです。かしこまった席では、TPOにふさわしい服装が求められます。

たとえば、高級なレストランでは、ジーパンや短パンを着ることがNGとされています。また、入社式や卒業式などでもスーツや着物を着ることが基本とされています。

ドレスコードはさまざまありますが、どのような規定があるのかを事前に知っておかないと恥をかいてしまうので、必ず事前に確認しておくことが大切です。

必要性

結婚式・卒業式・高級レストラン・バーなど、場の雰囲気を大切にする場面でドレスコードは必要とされます。ドレスコードがあることで、出席者に統一感が生まれ雰囲気をよくすることにつながります。その場にふさわしい服装をすることは、大人として必要なマナーなのです。

反対に、全く違う服装で参加すると、主催者や出席者に不快な思いをさせてしまいかねません。ドレスコードは一般常識の範囲内なので、雰囲気を悪くしないために、必ず守るようにしましょう。

メンズのドレスコードの種類

ドレスコードは、フォーマルからビジネスアタイアまで6種類に分かれています。同じ会のなかでも、場面や時間帯によって使い分けることがあります。

そこで、ここからは6種類のドレスコードについて意味や着るタイミング、具体的な服装などを詳しくご紹介します。

フォーマル

フォーマルとは、正装・正礼装と呼ばれる服装です。ドレスコードのなかでももっとも気品のある服装で、男性の場合はモーニングコート・燕尾服・タキシードがフォーマルにあたります。

3種の服装は時間帯によって分かれており、下記のように細かく区切られています。

・モーニングコート:昼に着る(~18時まで)
・燕尾服:夜に着る(18時以降)
・タキシード:夕方から夜に着る(18時ごろから夜にかけて)

もともとは燕尾服が夜の正装で、タキシードは準礼装でしたが、現在は燕尾服をあまり着なくなったため、タキシードが夜の正装になっています。着用するシーンは、新郎や新郎新婦の父として出席する結婚式、晩餐会、国家式典などの行事です。

1番格式ある服装ですが、間違って結婚式に招待されている側の人間が着てしまうと、TPOを守っていないことになります。フォーマルな服装を着ればよい、というわけではないことを理解しておきましょう。

セミフォーマル

セミフォーマルは、フォーマルの次に気品のある服装です。フォーマルと同じく、時間帯によって着る服装が変わります。

・ディレクターズスーツ:昼に着る(~18時まで)
・タキシード:夕方から夜に着る(18時ごろから夜にかけて)
・ブラックスーツ:昼夜通して着ることができる

着用するシーンは、招待客として出席する結婚式、子供の入学式・卒業式などの行事です。

ブラックスーツは昼夜共に着ることができるので、結婚式などで着用しても問題ありません。ですが、ディレクターズスーツの方がワンランク上の装いなので、大人として一着は持っておくとよいでしょう。

また、ブラックスーツは一般的な黒のスーツとは違います。黒のスーツは若干グレーがかっているのですが、ブラックスーツは漆黒です。黒の色が濃いほど高級かつ気品があるので、一般的なスーツと間違えないように注意しましょう。

インフォーマル

インフォーマルは略礼装とも言い、1番自由度が高い服装です。時間帯の指定はないので、気兼ねなく着ることができます。

インフォーマルとして着るのはブラックスーツやダークスーツです。結婚式等の行事で平服と指定されている時は、インフォーマルの服装で問題ないでしょう。着用するシーンは、披露宴、同窓会、パーティーなどの行事です。

結婚式の際は、シルバーのベストやネクタイをするのが一般的です。インフォーマルの場合ネクタイやシャツに特別な指定はないので、好きな柄を選んで楽しんでもよいかもしれません。

スマートエレガンス

スマートエレガンスは、カジュアルタイプのなかでもっとも正装に近い服装です。明確な定義はありませんが、光沢感がありドレッシーな服装が最適です。

ダークスーツを着用するのが一般的で、色は黒かネイビー、グレーなどでもよいでしょう。柄は無地で問題ないですが、華やかな席では少し光沢感があるスーツでもよいかもしれません。着用するシーンは、結婚式の2次会、成人式の後のパーティー、高級レストランなどです。

カジュアルすぎず、なおかつかしこまりすぎていない格好というのは、少し難しく感じるかもしれません。ポイントとしては、過度な色味を加えず光沢感で演出することです。

スーツに合わせるシューズも、ブラウンなどを選択すると少しカジュアルすぎてしまいます。そのため、ブラックのパテントレザーや、エナメルのシューズを選ぶとよいでしょう。

スマートカジュアル

スマートカジュアルは、カジュアルタイプのなかでも洗練された印象の服装です。スマートエレガンスと同様に明確な定義はありませんが、ジャケットとパンツのスタイルが一般的です。

スマートカジュアルの場合、ジャケットとパンツは別売りされているものを選ぶようにしてください。スーツ用に作られたジャケットはパンツと合わせてシルエットをつくっているので、別売りのパンツと合わせるとバランスが悪くなります。

いっぽう、別売りのジャケットはいろいろなパンツと合わせることを想定してつくられているため、違和感なく着ることができます。

正装で必要なネクタイやポケットチーフは、必須ではありません。ネクタイを着けない代わりに、スカーフを着けたりして、華やかさを出すのもよいでしょう。

着用するシーンは、観劇、高級ホテル・高級レストランでのディナーなどです。平服・スマートカジュアルと指定されている席では、上記のような服装で問題ありません。

ビジネススーツでも間違ってはいませんが、ジャケットとパンツでおしゃれに着こなすことで、ワンランク上の印象を与えることができます。

ビジネスアタイア

ビジネスアタイアとは、ビジネスで着ている服装という意味です。ビジネススーツなどの上下揃ったものを着るのが適切でしょう。会社関連の席でビジネスアタイアと指定されることが多いので、知識として頭に入れておくとよいです。

着用するシーンは、株主総会、レセプション、入社式などです。ビジネスの席なので全体的に個性を出しすぎるのはマナー違反ですが、タイピンや腕時計などの小物で上品さを加えるとよいでしょう。

ドレスコードが必要なシーン例

ドレスコードはある程度ベースがありますが、シーンによって意識するべきポイントがいくつかあります。そこでここからは、シーン別にどのような服装をすべきかご紹介します。

結婚式

結婚式に招待された時は、セミフォーマルであるディレクターズスーツか、ブラックスーツを着るのが基本です。新郎新婦を立てつつ、清楚で美しい服装です。

結婚式の2次会では、スマートカジュアルの服装にしましょう。基本的にはジャケットとパンツスタイルです。

また、式の時よりは雰囲気が堅苦しくなくなりますが、お祝いの席であることには変わりありません。そのため、ネクタイやチーフに少し色をのせ、華やかさを演出することをおすすめします。

同窓会

同窓会はかしこまった席ではありませんが、大人の身だしなみとしてきちんとした格好をしたいものです。堅苦しくなくカジュアルすぎない、スマートカジュアルが適しています。

スマートカジュアルの服装で、かつビジネススーツとは違う印象のスタイリングが好ましいでしょう。

具体的には、ジャケットとパンツの基本スタイルは変えずに、インナーをTシャツやニットに変えるのがおしゃれです。ネクタイやチーフを着けると堅苦しくなってしまうので、着けずにシンプルに着こなすのがおすすめです。

パーティー

会社主催で行われるパーティーは、仕事終わりや仕事中に開催されることが多いです。そのため、会社に着ていくビジネススーツに普段とは違う小物を合わせることで、少し違った印象にすることができます。

小物でおすすめなのは、スカーフやチーフです。さまざまな色と柄があり、個性を出しやすい小物です。仕事終わりや仕事中に開催されるのであれば持ち歩く必要がありますが、スカーフやチーフならバッグに入れてもかさばらないので、非常に適しているといえるでしょう。

高級レストラン

高級レストランでの食事の場合も、基本的にジャケットを羽織っていれば問題ありません。中に着るインナーも、Tシャツなどで問題ないでしょう。

しかし、Tシャツだとジャケットを脱いだ時にラフすぎないか心配になる方もいるかと思います。そういう方は、襟付きのトップスを着ることをおすすめします。

襟付きトップスは、ジャケットを脱いでも全体の印象を崩す心配がありません。前開きのトップスだけでなくポロシャツでも品のよさをキープすることができます。ネクタイを着けると堅い印象になってしまうため、食事の際は着けないで行くのがベターでしょう。

ドレスコードで注意すべき点

ドレスコードが指定されている席では、注意すべき点が3点あります。避けた方がいい服装、シャツの色、合わせる小物の3点です。それぞれどのようなことに気をつけるべきなのか、しっかり覚えておきましょう。

避けた方がよい服装がある

ドレスコードが指定されている場合、必ず避けなければいけない服装があります。短パンやジーパン、Tシャツ、サンダルなどがその服装です。全体的にラフなイメージになるので、場の雰囲気を壊してしまう可能性が高いからです。

また、あまり知られていませんが、白い靴下、ブーツ、黒いシャツもマナー違反とされています。特に白い靴下はカジュアルな印象を与えやすいので、黒・ネイビー・グレーなどの暗めの色合いを選ぶことをおすすめします。

シャツの色に気を付ける

フォーマルやセミフォーマルが指定されている場合は、シャツは白で無地のものを選ぶのが一般的です。カラーを使ったシャツは華やかではありますが、場の雰囲気に合わないため、よくないとされています。

結婚式に招待された時も基本は白いシャツがよいですが、友人の結婚式などではパステルピンクやサックスブルーのシャツを着ても問題ありません。

結婚式の2次会用で、黒のシャツや原色に近い色のシャツなどがありますが、雰囲気にそぐわない可能性が高いので着用しないのが安心です。2次会でどうしても着たい場合は、式で着るシャツと別で用意するようにしましょう。

小物も意識する

結婚式などでフォーマルやセミフォーマルの装いをする時には、避けるべきネクタイがあります。それは、黒のネクタイと、動物の絵柄やアニマル柄のネクタイです。

黒のネクタイは、お葬式を連想させるためお祝いの席には不向きです。黒のネクタイを着けたい場合は、明るめのグレーまでに抑えるようにしましょう。

動物の絵柄やアニマル柄が不向きなのは、殺生を連想させるからです。特にライオンやヒョウのモチーフは、直接的に連想させるのでよくありません。ゼブラ柄も派手な印象を与えるので控えてください。

シンプルな白のネクタイを着けるのがもっともよいとされていますが、どうしてもシンプルすぎてしまいます。そんな時は、タイピンやタイチェーンをして、少し華やかな印象にしてみましょう。

まとめ

今回の記事で紹介したように、ドレスコードには決まり事がたくさんあります。むずかしく感じるかもしれませんが、しっかりと理解すれば、大人としてワンランクアップすることができます。

男性の場合は、スーツかジャケットスタイルが基本スタイルです。フォーマルの服装でも自分の色を出したい方は、小物でひと工夫することでおしゃれ上級者になることができるでしょう。

結婚式や高級なレストランに出向いた際に、その場に不釣り合いな服を着てしまうのは、自分が恥ずかしいだけでなく同席している人にも迷惑がかかります。20歳をすぎたらひとりの大人として、ドレスコードのルールを理解するようにしましょう。