カジュアルスーツとはどんなスーツ?格好よく着こなす方法も解説

令和の時代になり、服装の自由度が高くなったオフィスも多くなっています。

テレワークの増加もあり、カジュアルスーツという言葉を耳にしたことがある人も増えているのではないでしょうか。

「家でスーツを着るのはちょっと…けど仕事モードに切り替えられる服装がいい」
「休日でもおしゃれに過ごしたい」

こうした悩みを同時に叶えてくれるのが、カジュアルスーツです。

しかし「なんとなくイメージできるけど、どのようなスーツかいまいちイメージできない」という人もいるでしょう。

そこでこの記事では、カジュアルスーツの特徴から格好よく着こなす方法までを網羅的に解説します。

ぜひ参考としてワードローブにカジュアルスーツを加え、着こなしを楽しんでみてください。

カジュアルスーツとは

カジュアルスーツとは、堅苦しさがないゆったり感のあるスーツのことです。

そもそも「カジュアル」という言葉自体に「格式張らず気軽にくつろいでいる様子」といった意味があります。

その名のとおり、カジュアルスーツは一般的なビジネススーツに多いウール素材でなく、ストレッチ素材などを使用し、動きの快適性も重視して作られているのが特徴です。

そのため、たとえばソファに体を預けて寛ぐときにも肘やひざ、背中につっぱりを感じず、心地よく過ごすことができます。

カジュアルとは反対の意味を持つ言葉は「フォーマル」です。冠婚葬祭などで着用するスーツを「フォーマルスーツ」と呼びます。

カジュアルスーツはどんなシーンで着用する?

カジュアルスーツは柔らかい印象を与えることから、さまざまなシーンで着用可能です。

格式のある場所で身に付けるのには不向きですが、仕事からプライベートまで多岐にわたって着用できる魅力があります。

オフィスでの仕事

カジュアルスーツは、ビジネススーツのように無駄のない統一されたデザインのため、オフィス仕事に向いた服装です。

ビジネススーツの着用しか許可していない企業も存在する中、とりわけ規定がなければカジュアルスーツはビジネススーツより自由度が高いため、四季にあったおしゃれを職場でも楽しむことができます。

結婚式

結婚式の中でも目上の立場にある人に対して行われる式の際、カジュアルスーツでの参加はあまりおすすめできません。

しかし身内や会場、結婚式のスタイルによっては、かえってカジュアルスーツで参加した方がよい場合もあるでしょう。

たとえば、レストランウェディングやパーティー会場を貸し切ってのウェディングなど、あまり格式張らない結婚式では歓迎されるケースが多いといえます。

事前に新郎新婦や他のゲストにカジュアルスーツで参加してよいか確認しておく必要はありますが、結婚式の後に開かれる二次会やパーティーのことも考えると、余分な荷物がなくなり楽です。

結婚式の二次会やパーティー

結婚式の二次会やパーティーは気軽に参加できることも多く、そういったときに汎用性の高いカジュアルスーツは重宝します。

「フォーマルなブラックスーツよりも少しリラックス感を出したい」「身内だけの集まりだから気軽に過ごしたい」といった場合には、とくにカジュアルスーツが最適といえるでしょう。

休日やデート

カジュアルスーツは自由に組み合わせて個性を出せることや動きやすいことなどのメリットがあるため、プライベートでの着用にも適しています。

とくに女性と外出してショッピングやレストランでデートをする場合、相手や周りの人たちにスマートなよい印象を与えることが可能です。

カジュアルスーツとビジネススーツの違い

カジュアルスーツとビジネススーツは、パッと見ると同じような印象を持ちやすいですが、実際に生地から仕様に至るまで、大きく違うことがわかります。

どのような点で違いがあるのかを見ていきましょう。

使われている生地

カジュアルスーツとビジネススーツは、使われている生地に違いがあります。

カジュアルスーツには、ウール・コットン・リネンといったビジネススーツにはあまり見られない素材が用いられており、通気性や肌触りがよいです。

一方ビジネススーツには、天然繊維のウールもしくは化学繊維のポリエステルを用いて作られていることが多く、光沢性や耐久性に優れています。

全体的な仕様

カジュアルスーツとビジネススーツは全体的な仕様、形にも違いが表れています。

たとえば、肩パッドの有無です。カジュアルスーツの多くには肩パッドが入っていませんが、ビジネススーツには基本的に肩パッドが入っています。

とはいえカジュアルスーツにも型崩れを防ぐ芯地がジャケットの前部分やラペルに入っており、引き締まったフォルムを維持できるように仕立てられています。

また、カジュアルスーツとビジネススーツにはパンツの違いもあり、テーパードスタイルと呼ばれる腰にゆとりのあるスタイルがカジュアルスーツの主流です。

ビジネススーツの場合はストレートやブーツカットなど、数種類以上あるスラックスが主流となります。

コーディネートの広さ

カジュアルスーツとビジネススーツは組み合わせ可能な衣類の選択の幅が異なるため、コーディネートの広さにも違いが出てきます。

上下セットで販売されている点は同じであるものの、カジュアルスーツならたとえばワイシャツをTシャツやポロシャツに、天然皮革の革靴をスエードやスニーカーにするなど。

季節に応じたコーディネートを行える点が、ビジネススーツとの一番の違いといってもよいでしょう。

ビジネススーツはワイシャツ・ネクタイ・スラックス・ベルト・革靴がベースとなり、他のものに変えようとしても外見や印象を損なう恐れがあるため、どうしてもコーディネートの幅は狭くなります。

着用シーン

ビジネススーツは重要な商談や会議、冠婚葬祭などで着用することが多い反面、カジュアルスーツはオフィスからプライベートまで幅広く活躍してくれます。

具体的に、カジュアルスーツはしっかりとした印象を持たせつつも、おしゃれを楽しみたいときにおすすめです。

職場はもちろんのこと、イベントやパーティー、休日やデートなどのプライベートといった幅広いシーンで着用できます。

繰り返しになりますが、生活のなかで「かっちりし過ぎは避けたい、けれどきちんと感も出したい」といった微妙なシーンは多くあるでしょう。

たとえば、いつも行くお店より少し高級なお店に行くときや、年上の人と会うとき、映画や個展などの芸術に触れるとき、デートのときなどです。

「何を着ていけばいいんだろう」と悩んだら、カジュアルスーツの出番といえます。

カジュアルスーツを格好よく着こなす方法

カジュアルスーツはビジネススーツよりも幅広くコーディネートできるため、その分組み合わせが重要となります。

以下の4つのポイントを押させることで、格好よく着こなすことが可能です。

季節感を意識する

カジュアルスーツをおしゃれに着こなしたい場合、まずは季節感を意識して今の季節にあったものを選ぶようにしましょう。

バリエーション豊富に組み合わせられることがカジュアルスーツのメリットでもありデメリットでもあるため、組み合わせを間違えてしまうと周囲の人たちに与える印象がよくないものになる可能性があります。

慣れないうちは、春夏はコットンやリネンで作られた生地のカジュアルスーツを選び、秋冬はツイードやフランネルで作られた生地のカジュアルスーツを選ぶことで安定感のあるコーディネートを実現可能です。

統一感を意識する

カジュアルスーツは自由度が高いため多くの色を用いてコーディネートしがちですが、統一感を意識することが大切です。

カジュアルスーツといってもスーツに変わりはなく、おしゃれでありながらも引き締まった印象を持たせられるかが、着こなすうえでのポイントとなってきます。

最も簡単に統一感を出すならばスーツの上下を同じ色で揃え、中のシャツはスーツと被らないよう異なった色にするのがおすすめです。

よく見られるスタイルとして、スーツの色がブラック・ネイビー・ベージュに対し、シャツの色が白の組み合わせです。

体にぴったり合うものを選ぶ

カジュアルスーツは自分の体にぴったり合う、ジャストサイズのものを選びましょう。

これはビジネススーツにも同様のことがいえますが、体型にあっていないスーツを選ぶとスマートに見えず、かっこよくありません。

スーツはご自身の体型にぴったり合うものこそ最もかっこよく見えるため、可能であればオーダーメイドで仕立てるのがおすすめです。

市販のスーツでも、フィッティングをしっかり行いサイズ調整をすれば問題なく着ることができますが、ご自身の体型に合わせて仕立てたスーツは唯一無二。

身体の美しさを最大限に引き出し、動作もスムーズに行えるスーツとなります。

靴や小物にもこだわる

カジュアルスーツを着こなすなら、スーツだけでなく靴や小物にもこだわってみましょう。

靴はビジネススーツには合わせづらいスエードやヌバックなどの素材の革靴、またモカシンやスニーカーなど、個性が出やすいものもおすすめです。

スーツとの組み合わせではイメージしにくいものを選んでも、上手にはまるのがカジュアルスーツです。

小物はポケットチーフやネッカチーフ、職場やパーティーならあえてネクタイを選ぶのもおしゃれです。

カラーやデザインも気負いすぎず、ビジネススーツに合わせようと思ったけれど少し派手で活用できていないネクタイなどを使ってみてください。

カジュアルスーツはシンプルなコーディネートでも十分ですが、スーツの色やデザイン、スタイルに合う小物を選ぶと、より洗練されたイメージとなるでしょう。

季節別に見るカジュアルスーツの着こなしコーデ

ここで、季節ごとにおすすめのカジュアルスーツの着こなしをご紹介します。

春におすすめのカジュアルスタイル

心地よい気候の日には、ラベンダーカラーなど春らしい色を取り入れたコーデがおすすめです。

ポリエステル素材のスーツなら、アクティブに動きたい休日にもぴったりです。しわになりにくく耐久性が高いので、型崩れを気にせず快適に過ごせます。

また、落ち着いたブラウンのカジュアルスーツには、深いネイビーのシャツがよく合います。
上品であたたかみのあるウール素材なら、カジュアル感のなかにも品を感じられるコーディネートに。

夏におすすめのカジュアルスタイル

暑い夏には目に涼しい白ジャケットでコーディネート。涼感素材を取り入れたジャケットなら使いやすく、快適に過ごすことができます。

日中の外出なら淡いブルーやピンクなどのシャツで爽やかに。夕方以降ならクールなブラックシャツもおすすめです。

よりクールなスタイルなら、アイスブルーのスーツスタイルがよいでしょう。差し色として上下別々にも使いやすいので、一着持っておくと便利です。

秋におすすめのカジュアルスタイル

秋らしいブラウンやカーキ、キャメルなどのアースカラーを取り入れたコーディネートがおすすめ。

ビジネススーツでは取り入れにくい色も、カジュアルスーツなら着こなしやすいでしょう。

また、クラシカルな雰囲気が最も際立つのも秋です。グレンチェックや千鳥柄など、オーソドックスかつ遊び心のある柄を楽しんでみてはいかがでしょうか。

冬におすすめのカジュアルスタイル

シックな黒は一工夫あるデザインを選ぶのがおすすめです。インナーはシックなカットソーを合わせて、ラフなスタイルにまとめてみては。

黒のジャケットとパンツはどちらも私服に取り入れやすいので、別々に使えるのも便利です。

寒々しくなりがちなネイビーカラーも、ソフトな素材のカジュアルスーツに取り入れれば真冬でもどことなく温かさを感じられます。

シャツを合わせればオフィスでも着やすくなりますが、よりカジュアル感を出すならハイネックのセーターを合わせましょう。

まとめ

カジュアルスーツは、堅苦しさがないゆったり感のあるスーツです。ビジネススーツとは違い自由度が高いため、着用シーンは仕事からプライベートまで多岐にわたります。

まずは1着、着回しのきくシンプルなデザイン・カラーのカジュアルスーツを持ってみてはいかがでしょうか。ファッションの幅が大きく広がり、手軽におしゃれが楽しめますよ。